そんな、ひとが始めるビジネスとしては、一粒で二度おいしい、素晴らしいビジネスとなるでしょう。

　また、ネットワークビジネスには、「人や、社会の役に立たない、どちらかというと煙たがられるビジネス」というの最大の特徴があります。この世を憎んでいたり、人間嫌い人にはぴったりのビジネスと言えます。今までの人間関係なんてクソ食らえ！と思っていたり、憎らしい恋敵を破滅させたいと思っていたり、学生の頃バカにされていた相手を自己破産に追いやってやろうと考える人にとっては絶好のビジネスチャンスとなるでしょう。また、自己犠牲精神の強い人にも向いているかも知れません。

　また、このビジネスの特徴としては、失敗と成功の間に大きく深い溝があって、向こう側に行けた成功者には未来が約束され、溝のこちら側では、溝に架かる細い一本の橋を渡ろうと押し合い、へし合い、蹴落とされたりしながら常にもみ合っています。この非常に過酷な競争に飛び込むことのできる自虐的な、あるいは逆に激しい向上心を持ち、受験戦争以降、生ぬるい競争では満足できないという人には満足のいくビジネスライフが約束されています。

　また、このビジネスの特徴としては、失敗した人は、同じビジネスの続きをすることが不可能で、ネットワークビジネス社会で築いた人間関係もネットワークビジネスとの関係がなくなれば消滅し、一生懸命習得した営業マニュアルや商品知識のスキルを生かすことも出来ません（むしろ、そのスキルが仇となる場合もあるでしょう）。しかし、「雑学王」を目指している人や、失敗してからネットワークビジネス批判の本を書いて一儲けしようと言う人には必要な知識となります。

　夫婦に倦怠期が訪れている場合もこのビジネスを始めるのにいいかもしれません。大抵のネットワークビジネスは夫婦での参加を奨励しています。二人でひとつのものに向かっていく達成感は何物にも代え難い共同作業となるでしょう。

　さて、そんなネットワークビジネス。もちろん、長野オリンピックのスポンサーをしていたような有名企業だってあります。ネットワークビジネスで成功出来る人ほんの一握りの人。そんな人は、ハッキリ言ってどんな仕事でもやっていけるような力量を持っているはずです。なぜなら、それほど過酷な仕事内容なんです。ネットワークビジネスで成功した人は尊敬に値するでしょう。
　中途半端な気持ちで始めると火傷をします。物事に近道はありません。ネットワークビジネスは近道のように思えて実際に道を降りたときはスタートまで戻ってしまいます。その商品がよくて買うのなら問題ありませんが、それを簡単に商売にしようをと考えたとき、あなたの脳裏に
「あの子とあの子と、あの人なら買ってくれるかも」
そんな考えが浮かびませんでしたか？
だとしたら、本当にその道へ突き進む覚悟があるのかどうか、ちょっと自分自身のことをよく知る必要があるのかもしれません。

　自己責任が声高にされる昨今ですが、ネットワークビジネスやサラ金、悪徳商法などが悪いのではありません。それを甘い考えで利用する側に問題があるのです。