生きるための経済講座

前回の続きです。

 会社を作ると一体「どんなトクなことになるのか」を私なりに説明すると

1、節税になる。
2、仕事が受注が取りやすい。
3、社会的信用が得やすい。
4、お金を借りやすい。

 と、いったようなことが挙げられます。では、どんな会社を作ったらいいのでしょう。

 会社には4種類あります。日本でもっとも多いのは有限会社で全会社の60%を占めます。株式会社40%。もうこれで100%になってしまいます。合資会社0.1%合名会社に至ってはさらに少ないので、話にならない、と言った感じなのです。

 ですから、「会社を作る」というと、大抵はまず有限会社になります。有限会社とは、その名の通り責任が有限という意味です。つまり、会社が損失を被った場合、そのすべてを代表者が負わなくてもいいのです。これは株式会社も同じです。

 これを分かりやすく説明すると、会社の名で借りたお金を代表者個人で返済しなくてもよい。ということです。これだとずいぶん気がラクです。思いきった経営が出来そうな気がします。

 反対に、合資会社は違います。代表者は会社の借金すべてに責任を負わなくてはいけません。合名会社はさらに社員全員がその責任を負うことになっています。これが合資、合名が人気のない最大の理由です。人気がないため、合資、合名会社の信用度もイマイチです。知名度はありません。また、古臭いイメージもあります。一度機会があったら、法務局へ行って、合資会社のリストを見てみるといいでしょう。味噌屋さん、酒造所など、昔から続けてきている会社が多いのに気付きます。

 しかし、そんな合資会社には、隠れたメリットが存在します。

 会社を作るには登記というものをしなくてはいけません。定款が必要だったり、第一に資本金が必要です。まず、合資会社には資本金という考え方がありません。極端な場合、1円でも会社を作ることができます。
  また、有限会社の場合、会社に必要な定款を作成した際、定款に間違いがないことを認証してもらうため、公証役場でハンコを押してもらいます。これに5万円かかります。ハンコ押すのに5万円です!実にボロイ商売です。しかし、公証役場は裁判官、検事や法務事務官の再就職先なので、強制的に理由をつけてお金を払わせるような仕組みになっています。しかし、合資会社は定款の認証が必要ありません
 会社設立に必要な書類も有限会社に比べると、格段に少なくて済み、簡便化されています。有限会社や、株式会社があまりに多いので、国はそこからなにかとお金を取ろうと試みています、合資会社は需要が少ないので、あまり相手にされていないという感じさえ受けます。

 今回、エメロンが会社を作るのに要した費用は

・会社の印鑑    7,172円(ネットの安いハンコ屋さんで購入)
・登録免許税   60,000円



           67,172円

プラス、2万円を出資したので、合計87,172円でした。5月の始めに定款等用意をし、自分で書類を作成して、2週間ほどで会社が設立できました。

有限会社だと、ここまではいきません。書類も多いし、あちこちへハンコをもらいに行ったり、資本金を預けに行ったり文字通り駈けずり回らなくてはいけないのです。

これからの商売の3原則は次のように言われています。

1、自己資本(なるべく借金をしない)
2、顧客から得る利益を収入にする。(顧客との直接取引き)
3、しがらみのない横の繋がりを大切にする。

 エメロンは、仕入れの発生しない、生み出されたものを売っていく商売です。コンピューター1つあれば、あらゆる仕事に対応できます。さほど資本を必要としません。合資会社はこういった今の時代に合った仕事をする会社には実に適した、削ぎ落とされたシステムになっているのです。かつては古臭かった合資会社が、時を経て今の形態に合うようになったというのは、なかなか興味深いものです。

 エメロンが合資会社の方式を選んだのはそれだけではありません。今や株式も有限も資本金が1円あれば設立できるようになっていますから、別に有限会社でもいいのです。
 「代表者の責任が有限」。それが有限会社です。しかし、それは本当ではありません。現在会社をやっている人や個人業者の方はよく分かると思いますが、会社でお金を借りる場合は、債務者(お金を借りる人)は会社の名前でも、連帯債務者(債務者と同じ責任の人)や連帯保証人(債務者がお金を返せないときに変わりに返済する人)にその会社の代表者がなるのは常識です。つまり、会社が借りたお金を返せない場合、会社の代表が家屋敷を売ってまでそれを返済しなくてはいけません。これだと、合資会社となんら変わりがないのです。だったら、高いお金を払ってまで有限にする必要性がない、と思ったのです。

  会社を作るためのHOW TO本のほとんどには、そういった矛盾が指摘されていません。それなのに、「有限会社は責任が有限なので、合資会社よりも有利だ」などと平気でうたわれていたりします。それならそれで合資会社のほうが地に足をつけた経営が出来るというものです。

 ただ、知名度がない分、お金を借りるのは難しいでしょう。だから、お金を借りて商売したい人は有限にしたほうがいいかもしれません。これは、あくまで貸す銀行側にとってウケがいい。という話です。大手を相手に仕事をする場合は、「取引会社は株式か有限に限る」としている所もありますから、そう言う場合も合資だと都合が悪いでしょう。どの形態が適しているかは、充分考えなくてはいけません。

 でも、会社を作るって、なんだか楽しいものです。会社の話は今回でひとまず終了。


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