生きるための経済講座

この「タブロイド エメロン」を発行してから、ずっと気になっていたことがあります。
最近になってからは、

「-ここから下がある場合は広告です。エメロンとは一切関係ありません-」

という一文を最後に付け加えていますが、その後にカードローンの広告が付いてくることがよくあります。
また、eグループに登録することで、たまに

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・ 限度額300万+年利15.0〜18.0%,即日審査のカード

 と言ったタイトルのメールが届きます。これは私だけなのか、読者の方みんなに届いているのか分かりません。もし、すべての読者に届いているとしたらこれは大変皮肉な話と言えます。

 それにしても、10年前にこれほどお金を借りるということが習慣化されていたでしょうか?「タブロイド エメロン」の読者約80余名の中にも、高利率の借金をしている人がいるかもしれません。あるいは本人でなくても、兄弟、家族、親戚、そして友人にそういう人がいるかもしれません。また、なんらかの形で保証人になっている場合があるかも知れません。

 本人が借りているなら、まだ自覚がありますが、「保証人」というのは、借金をしているという自覚に欠けるので、いきなり請求が来たときに本当にうろたえてしまいます。そして、実に知識がないまま「保証人」になってしまうことが殆どです。

 今の私たちくらいの年齢なら、保証人になることよりも、保証人を探すことのほうが多いでしょう。商売を始めるときに「国民金融公庫」でお金を借りるなら、2人の保証人が必要です。銀行の場合は、保証人に加えて担保も必要とされます。家を立てるとなると、これもまた保証人が…。

 親がなってくれるのならまだいいのですが、2人となるとそうはいかない場合も多々あります。保証人と言うのは頼むほうも、頼まれるほうも、実に嫌なものです。

 頼むほうはもちろん「必ず返せるし、絶対に迷惑をかけない」つもりで頼みます。頼まれるほうも、代わりに返すくらいで引き受けるのならいいのですが、それも金額によりますよね。それに、保証人になることをためらえば暗に
「あなたのことは信頼できません。」
と言っているようで、断りにくかったりもしますしそれが友達なら友人関係にひびが入りそうで、つい引き受けてしまったりするかもしれません。

 「じいちゃんの遺言で保証人にはなるなと言われている。」という断り文句はよく聞きますが、それくらい余程でない限り保証人にはならないほうがいいと言われています。しかし、既になってしまっていた場合はどうでしょう?そして、現実に借金の肩代わりを迫られたときにはどうすればいいのでしょうか。

 このお金の貸し借りや保証人に関する仕組みについては、学校では教えてもらせません。社会に出てからも学ぶ機会は殆どありません。それが分かるのは悲しいかな当事者になってからです。

 そして、その時に、そういうことをすぐに相談する公的機関がないということを思い知らされます。いざというときに頼るところがどこにもないのです。
保証人になる人は他人の借金を肩代わりできるくらいみな裕福かと言うと、そんなことは全くありません。自分の生活で手いっぱい。ですから保証人は駆けずり回ってお金を集めて、借金してまで保証人としての役目をまっとうしようとします。

 「返せないものは借りてまでも返さなくていい」ということを余りに誰もが知らなさすぎる。というのが私の感想です。
返せるであろう、という判断をしたのは貸主のほうなので、極端な話、保証人が返せないとしても、それは貸主の判断が誤っていた訳であって、あくまでも返せる範囲内でいいのです。借りてまで返すのなら誰を保証人にしてもいいという話になってしまうでしょう?取り立てる場合も「借りてきて返せ」と言うのは法律違反になってしまうのです。

 もちろん、貸主側とは色々と交渉が必要です。金額を減らしてもらうとか、分割にしてもらうとか、精神的にも時間的にも消耗します。金額によってはそれくらいする価値はあります。保証人は「なにがなんでも保証しなくてはいけない訳ではない」のです。

 借金や保証人になったことが原因で自殺したというニュースを聞くたびに、どんなに高額な借金でも死なずに済む方法があることをなぜ、だれも教えないのか、本当に複雑な心境になります。必ず出口はあるのです。


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