生きるための経済講座

 私の目標の一つに

夏休み1ヶ月

 というのがあります。しかし、今年は3日間でした。間に定休日を入れたから、2日余分に休みを取っただけ。1ヶ月には程遠い有様です。しかし、大会社でもせいぜい10日から二週程度しか休めません。

 また、自営業の場合、一ヶ月休んでも代わりに誰かがやってくれているか、あるいは、それだけのお客さんの信頼を得ているとか、収入がなくても月々の支払いをやっていけるか、会社ならきちんとローテーションが組まれるかが必要となってきます。

 以前私が取引をしていた天然酵母のパン屋さんは8月1ヶ月間が夏休みでした。それで、私は7月には1ヶ月休まれても大丈夫なように仕入れをした訳です。その時、私の中には「チキショー、一ヶ月も休むなよな!」などと言う気持ちはありませんでした、何故なら、そこのパン屋さんはおいしかったし、夏休みが一ヶ月あるせいで取引を辞めたいとは思わなかったからです。これはお客さんの信頼を得ている場合ですね。また、そこの店主がフランス人だったせいもあるでしょう。なにせヨーロッパは長期休暇の国ですもの。

 では。もし仮に夏休みが1ヶ月あったらどうでしょう?いやーそれは困ります。だってお金がないから。1ヶ月の休みを有意義に過ごしたいなら、長期旅行に行くとか、別荘に行くとかしたいじゃないですか!ただ、家でボーっとしている1ヶ月の休みなんていうのもいただけません。

 ですから、1ヶ月の夏休みを取るには、まず1ヶ月の夏休みを取っても楽しめるだけの経済的余裕が必要になってきます。

 例えば、日本のリゾートホテル、家族3人、1泊2食付きで1人1万5千円として、4万5千円。一週間も泊まると31万5千円もかかります。ひょえー!!それに、大体日本のホテルは長期だからといって値引きはほとんどしてもらえません。連泊して優雅に過ごすには実に大金が必要だと思い知らされます。

 しかし、ヨーロッパ人が長期休暇を取って楽しんでいるからと言って、みんな大金をはたいているのか、みんなそんなに金持ちなのか、と、いうと、これもまた事情が違うようです。

 ヨーロッパの場合、「オールインクルーディング」というツアーシステムがあり、例えば1週間や数週間の場合でも、ホテル全体を旅行会社が借り切っています。ツアーに参加さえすればチップや食事代もすべて含まれているため、非常に安い値段で長期滞在が可能となります。ましてや、1週間の滞在で31万円も!ということはないのです。最近ではアメリカでも増えているようで、先進国でそれをやっていないのは日本だけとか。

 また、鉄道や、航空などの交通システムなどにも利便性と安さの工夫ががあるようです。

 ですから、ヨーロッパ人が長期休暇を優雅に楽しめるからと言って、必ずしもお金持ちだからできるということではなく、彼らを取り巻く様々なことがそんなにお金持ちでなくとも余程貧乏でない限り、豊かな休暇が送れるような仕組みになっているのです。

  システムさえ整えば、日本でも長期休暇は可能です。だって、こんなに働いているのに!私たちの暮らしといったら、実にお粗末だとは思いませんか? それくらいの休みを取ったってバチは当たらないはずです!きっと長期休暇を実現できるヒントがあると、思うのですが。

※「夏休み1ヶ月の会」というものを作って、実現させるために情報交換したいと思います。入会ご希望の方は職業、年齢、名前(ハンドルネームも可)、動機を明記の上、下記のメールアドレスまでお送り下さい。もちろん会費などはなしです。人数が集まり次第、タブロイド《エメロン》とは別にグループを立ち上げたいと思います。この場合はメールマガジンではなく、メールグループ(双方向のもので自分も意見が言える)にしたいと思っています。
 特に、実際に長期休暇を実現している方、自営業の方、サービス業に従事している方、経理などの数字に詳しい方歓迎です。


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